概要:上賀茂神社・下鴨神社・延暦寺・仁和寺・平等院・高山寺・金閣寺・銀閣寺・龍安寺は条件付きで愛犬同伴での参拝が許可されています。東寺・清水寺・醍醐寺・宇治上神社・西方寺・天龍寺・西本願寺・二条城は愛犬同伴での参拝・入場は許可されていません。
『古都京都の文化財』は、京都市・宇治市・大津市に点在する構成資産17件から成るユネスコの世界遺産リスト登録物件(文化遺産)です。日本で5件目の世界遺産として1994年に登録されました。いずれも国宝建造物や特別名勝、特別史跡に指定されていて、日本が世界に誇る重要な文化財です。
これらの中のいくつかは、愛犬と同伴で参拝が可能です。2016年6月・2022年1月に京都を訪れた際の写真を提示しつつ、構成資産別に、その可否とポイントをお示し致します。情報は特記ない限りは2022年1月現在のものです。訪問時には改めて各施設に直接ご確認することをお願いいたします。
なお、いずれの場所でも、将来に渡って愛犬と共に伺うことができるよう、排泄管理は厳重にするのとともに、人犬ともに静粛に過ごし、犬同伴でない周りの方々および施設の方々に不快な思いをさせないよう、常に努める必要があります。実際に世界遺産「古都京都の文化財」の構成資産で、愛犬同伴での参拝不可または参拝制限が設けられた例としては、
・清水寺(2016年には愛犬同伴できたが2022年現在同伴不可)
・金閣寺(2016年には愛犬の顔出しでの同伴可能であったが、2022年に確認した際は顔や体の一部も出してはいけないという設定に変更)
が挙げられます。
同様の事案は他にも、京都関連でしたたら伏見稲荷神社(2022年1月1日より犬同伴での参拝禁止)が、世界遺産関連でしたら奈良の春日大社(以前は同伴できたが、現在はペット参入禁止)、平泉の毛越寺(以前は顔出しでの参拝が可能でしたが、現在はゲージ・バギー等の利用が必要で顔出し不可)が該当します。
愛犬同伴での来訪・参拝が今後も継続できるよう、来訪時には他者の視点に立って、不快な思いをさせないよう、十分な配慮を継続していきましょう。
上賀茂神社・一の鳥居 |
上賀茂神社・中門 |
上賀茂神社・楼門 |
京都市北区にある京都最古の歴史を有する神社です。京都三大祭の葵祭が催されることでも知られています。なお建築物としては、本殿・権殿が国宝に指定されています。
こちらは愛犬同伴での参拝は可能です(電話及び現地にて確認)。一の鳥居及び西の鳥居より外側では、愛犬の足を地面につけての参拝も可能ですが、そこから内側は地面に足をつけてはいけない設定でした。それを示す看板が、一の鳥居や西の鳥居の近くに掲示されています。
下鴨神社・一之鳥居 |
下鴨神社・中門 |
京都市左京区のある神社で、下鴨神社で知られています。賀茂別雷神社と併せて加茂神社と総称され、葵祭でもよく知られています。なお建築物としては、東本殿・西本殿が国宝に指定されています。
こちらは愛犬同伴での参拝が可能です(電話及び現地にて確認)。楼門の外側では愛犬の足を地面につけての参拝も可能ですが、楼門より内側の敷地内は地面に足をつけてはいけない設定でした。
比叡山延暦寺・大講堂 |
比叡山延暦寺・根本中堂(改修中、2026年完成予定) |
比叡山延暦寺・阿弥陀堂と東塔 |
滋賀県大津市の比叡山全域を境内とする、天台宗の総本山の寺院で、「日本仏教の母山」とも称されています。なお建築物としては、根本中堂が国宝に指定されています。
こちらは愛犬同伴での参拝が可能です(電話および現地にて確認)。敷地内は愛犬の足を地面につけての参拝も可能ですが、堂内・建物内は同伴不可です。
仁和寺・五重塔 |
仁和寺・金堂 |
京都市右京区にある真言宗御室派の総本山の寺院で、桜の名所としても知られています。なお建築物としては、金堂が国宝に指定されています。
こちらは愛犬同伴での参拝が可能ですが、その際は愛犬の足を地面につけないことが条件となります(2022年1月に電話および公式サイトにて確認、2016年時は現地で確認)。また建物内は同伴できません。
平等院鳳凰堂 |
平等院鳳凰堂と浄土式庭園 |
京都府宇治市にある寺院で、国宝指定の鳳凰堂と浄土式庭園で広く知られています。
こちらは愛犬同伴での参拝が可能です(公式サイト・電話・現地にて確認)。敷地内は愛犬の足を地面につけての参拝も可能ですが、鳳凰堂をはじめとした建物内への同伴はできません。
高山寺 |
高山寺・入口 |
高山寺・境内 |
高山寺・石水院からの眺め(石水院内は犬同伴不可) |
高山寺・石水院入口 |
京都市右京区の山中にある寺院で、紅葉が美しいこと、鳥獣人物戯画を有することで知られています。なお建築物としては石水院が国宝に指定されていますが、愛犬同伴だとその一部をわずかに観覧することしかできません。
こちらは愛犬同伴での参拝が可能です(電話・現地にて確認)。敷地内は愛犬の足を地面につけての参拝も可能ですが、石水院をはじめとした建物内は同伴できません。
金閣寺・舎利殿 |
金閣寺(2016年来訪時。2022年現在は愛犬の顔出し不可) |
京都市北区にある相国寺の境外塔頭の寺院で、金箔が貼られた舎利殿から金閣寺として知られています。
こちらは愛犬同伴での参拝が可能ですが、ケージ・キャリー等に入れて顔や体が外に出ないようにする必要があります(電話・公式サイトにて確認)。なお写真は2016年訪問時で、当時はキャリー等に入れて顔出しでも許可されていましたが、今は許されていません。
慈照寺(銀閣寺)・観音堂 |
慈照寺(銀閣寺)・東求堂 |
京都市左京区ある相国寺の境外塔頭の寺院で、観音殿(銀閣)から銀閣寺として知られています。なお建築物としては観音殿・東求堂が国宝に指定されています。
こちらは愛犬同伴での参拝が可能ですが、その際は愛犬の足を地面につけないことが条件となります。また建物内は同伴できません(公式サイト・現地にて確認)。
竜安寺・方丈庭園 |
龍安寺・山門 |
京都市右京区にある妙心寺の境外塔頭の寺院で、方丈庭園という枯山水の石庭で知られています。
こちらは愛犬同伴での参拝が可能ですが、ケージ・キャリー等に入れて顔や体が外に出ないようにする必要があります(電話にて確認、2016年時は現地で確認)。
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以上が愛犬同伴での参拝が可能な寺社となります。それ以外の世界遺産「古都京都の文化財」の構成資産である下記の寺社・城については、敷地内の愛犬同伴はできません。
京都市南区にある東寺真言宗の総本山の寺院で、東寺として知られています。現存する唯一の平安京の遺構で、建築物としては五重塔・金堂・大師堂・蓮花門・観智院客殿が国宝に指定されています。
こちらは愛犬同伴での敷地内での参拝はできません(電話にて確認)。しかし敷地外でも象徴的な五重塔は仰ぎ見ることが可能ですし、また南大門の外からでも立派な金堂を拝むことが可能です。
清水寺(2016年来訪時。2022年現在は犬同伴不可) |
清水寺(夜間特別参拝)・清水の舞台 |
京都市東山区にある寺院で、平安京遷都以前からの歴史を持つ数少ない寺院の一つです。清水の舞台を擁する本堂(国宝指定)が有名です。
こちらは愛犬同伴での入山ができません(公式サイトにて確認)。写真は2016年参拝時のもので、当時は愛犬同伴での参拝が可能でした。
京都市伏見区にある寺院で、豊臣秀吉の「醍醐の花見」でも知られるように京都屈指の桜の名所です。また数多くの貴重な書物・絵画・を擁しております。
こちらは愛犬同伴での入山ができません(電話にて確認)。
京都府宇治市にある神社で、本殿は平安時代に造営された現存最古の神社建築として知られ、国宝に指定されています。またその手前にある拝殿も鎌倉時代前期に造営されたもので、こちらも国宝に指定されています。
こちらは愛犬同伴での参拝はできません(電話・現地にて確認)。ただし境内に入る手前の参道(さわらびの道)からであれば、拝殿を垣間見ることができます。
京都市西京区にある寺院で、庭園が美しい緑の苔で覆われていることより、苔寺の通称で広く知られています。なお参拝については事前申し込みが必要です。
こちらは愛犬同伴での参拝ができません(電話にて確認)。
京都市右京区にある寺院で、曹源池庭園という美しい庭と、八方睨みの龍の雲龍図で知られています。
こちらは愛犬同伴での参拝ができません(現地及び電話にて確認)。
京都市下京区にある寺院で、通称は西本願寺、またはお西さんと呼ばれています。御影堂・阿弥陀堂・書院・北能舞台・飛雲閣・唐門など多くの国宝建築物を要しています。
こちらは愛犬同伴での敷地内での参拝はできません(電話にて確認)。しかし参拝できないとはいえども、敷地外の堀川通りから、部分的ながら御影堂・阿弥陀堂・飛雲閣は観覧可能です。
京都市中京区のある平城で、徳川家康公が京都御所の守護のために築いたものです。また「大政奉還」の舞台として広く知られています。なお建築物としては、二の丸御殿が国宝に指定されています。
こちらは愛犬同伴での観覧ができません(公式サイトにて確認)。
まとめ:世界遺産「古都京都の文化財」には、いくつかの社寺において、愛犬同伴で参拝ができます。いずれも素晴らしいものばかりで、後世に残していかなければなりません。愛犬家としてはそれだけではなく、犬同伴での参拝・来訪が今後も継続して許可されるよう、犬の管理や犬同伴での行動に十分な注意を払う必要があります。
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